
【冬至は復活の兆し】
冬至(とうじ)とは、一年で昼がいちばん短く、夜がいちばん長くなる日です。北半球では太陽の高さが最も低く、光が弱く感じられるため、「太陽の力が一番弱まる日」と考えられてきました。
けれども冬至を境に、太陽は再び力を取り戻し、少しずつ昼が長くなるため、昔の人々はこれを「復活の兆し」として祝い、ゆず湯やかぼちゃを食べて無病息災を願ったのです。
それでは、夏至・春分・秋分と比べるとどう違うのでしょうか。
- 夏至(げし):一年で昼が最も長く夜が最も短い日。太陽の高さも最も高く光が強い。
冬至の“真逆”の位置にあり、季節のピークを示す日
- 春分(しゅんぶん):昼と夜の長さがほぼ同じ。太陽が真東から昇り、真西に沈む、冬の終わりと春の訪れを本格的に感じる時期。
- 秋分(しゅうぶん):昼と夜の長さが再びほぼ同じ。春分と対になり、季節の変わり目を示す。暑さが落ち着き、秋の深まりが始まるころ。
4つの日の関係を一言でまとめてみましょう。
冬至 → 昼が最短・夜が最長(太陽の力が最も弱まる日)
夏至 → 昼が最長・夜が最短(太陽の力が最も強い日)
春分 → 昼夜が同じで、ここから昼が長くなる節目
秋分 → 昼夜が同じで、ここから夜が長くなる節目
冬至を「太陽のリセット」と捉えると、春分・夏至・秋分はその途中経過を示す、大きな季節の目印になります。
なかでも、冬至が特別視される理由としては、冬至は単に「昼が短い日」ではなく、
そこから陽の光が再び増え始める「再生のスタート」と考えられてきたからなのです。そのため、ゆず湯に入る、かぼちゃを食べる、「ん」がつく食べ物(運盛り)を食べる。など、昔から特別な風習が残っています。
こうして冬至は、「復活の兆し」として、人々に寒い冬を乗り越えるための希望を与えてくれて来たのですね。
日本だけにとどまらず、宇宙的な壮大な規模の無限の偉大さは、今も昔も変わることなく人々の心に大切に伝えられているのです。これからも自然の壮大な力と太陽の恵に感謝することを、人間は決して忘れてはならないと痛感致します。
2025年令和七年 十二月
「おしゃべりHAIKUの会」主宰
一般社団法人俳句文芸協会代表理事 上野貴子