
🎍 二十日正月(はつかしょうがつ)とは
― 正月を静かに送り、日常へ戻るための日 ―
お正月の賑わいがすっかり落ち着いた、1月20日。
この日は 「二十日正月(はつかしょうがつ)」 と呼ばれ、
日本では古くから お正月の締めくくり とされてきました。
松の内、小正月を経て、
正月飾りを下ろし、正月料理を食べ切り、
家に迎えていた 年神様をお見送りする日。
にぎやかだった時間から、
ゆっくりと日常へ戻っていく――
そんな、静かな区切りの日です。
🌾 二十日正月の意味と由来
― 年神様と過ごした時間の終わり ―
もともと正月は、
その年の豊作や健康、幸せをもたらす 年神様 を
家にお迎えする神聖な期間でした。
松の内 … 年神様をお迎えしている期間
小正月(1月15日) … 祈りが中心となる日
二十日正月 … 年神様をお送りする区切りの日
つまり二十日正月とは、
神さまと共に過ごした正月を、静かに終える日だったのです。
この「きちんと終える」という感覚が、
日本文化らしいところですね。
🐟 二十日正月は「骨正月」
― 食べきることで福を残す ―
二十日正月は、別名 「骨正月(ほねしょうがつ)」 とも呼ばれます。
これは、正月のごちそうとして用意した
鮭や鯛の頭
干物
煮物に残った骨
などを、
この日までにすべて食べ切る という風習からきています。
📜 骨を残すとどうなる?
各地には、こんな言い伝えが残っています。
「二十日正月までに魚の骨を片付けないと、
年神様が家を去るときに迷ってしまう」
「骨が残っていると、祟りや災いを呼ぶ」
これは怖がらせるためではなく、
食べ物を粗末にしない
神さまへの感謝を形にする
そんな戒めが、
“伝説”というかたちで語り継がれた ものだと考えられています。
🔥 骨を焼く風習と「どんど焼き」との関係
地域によっては、
残った骨や正月飾りを 火で清める 風習もありました。
これが、
小正月の どんど焼き(左義長) と結びつき、
正月飾りを焼いて年神様を空へ送る
火の力で穢れを祓う
という信仰へとつながっていきます。
「骨を焼く」という行為も、
神さまを無事に送り、家を清めるための所作
だったのですね。
🏡 二十日正月に行われてきたこと
昔の暮らしの中で、二十日正月はこんな一日でした。
正月飾りを完全に片付ける
正月料理を食べ切る
農作業・商い・仕事を本格的に再開する
家族の一年の無事をあらためて願う
「もう正月だから」と特別扱いするのではなく、
きちんと区切りをつけて、日常へ戻る。
その姿勢が、
日本人の暮らしの知恵だったのでしょう。
🍵 俳句の季語としての「二十日正月」
俳句では
「二十日正月」 は新年の季語です。
華やかさよりも、
正月の余韻
生活の音が戻ってくる感じ
家の中の静けさ
そんな情景を詠むのに、
とても味わい深い季語です。
🌸 二十日正月が教えてくれる、日本の心
正月を
「ぱっと終わらせる」のではなく、
少しずつ、感謝しながら、名残を惜しみながら、日常へ戻っていく。
二十日正月には、
そんな 日本人のやさしい時間感覚 が息づいています。
忙しい現代だからこそ、
この静かな節目を、
少し意識して過ごしてみるのも素敵ですね。
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🎍 お正月行事のまとめ
🐣 元日(1月1日)
「年神様をお迎えする日」
🎍 松の内(1月7日頃まで/地域により15日まで)
「年神様と共に過ごす期間」
🌾 七草(1月7日)
「正月疲れを整える日」
🔥 小正月(1月15日)
「祈りが最も深まる日」
🐟 二十日正月(1月20日)
「年神様をお送りし、正月を締めくくる日」
🌸 では、本当にこれで終わり?
行事としての「正月」は、
👉 二十日正月で一区切りです。
ただし暮らしの感覚としては、
大寒~節分~立春へと続き、
「正月」から「春」へと、心が少しずつ移っていく
そんな流れになっています。
✨ 終わりに
お正月は、神さまを迎え、共に過ごし、感謝して送り、
静かに日常へ戻っていくための、日本人らしい時間の物語なのです。