おしゃべりHAIKUの会2024年メルマガNo113より
【十五夜様】
秋の夜空に浮かぶ美しいお月様を眺めるお月見の十五夜様。毎年いつになるのか9月になると気になります。
仲秋の名月がお月見ですが、2024年は9月17日となります。もうすぐですね。以前はこの頃にはやっと涼しくなり始める頃でした。夏の疲れを癒して秋の豊作を祈り七草を飾る風習があったものです。
ところが、地球温暖化の影響で、今年も猛暑がものすごくて残暑が厳しく、九月いっぱいは夏のような気候だという予想が出ています。もともと、十五夜は旧暦の8月15日とされていました。今ではお盆の最中です。新暦で表すと月遅れの9月15日を十五夜と思う方も多いですが、実は、その年によって十五夜の日にちは変わっています。
月の満ち欠けを基準にしていた旧暦と、太陽の動きを基準にしている新暦では、一年の始まる日も一年の長さも異なります。そのため、旧暦と新暦にズレが生じ、実際には、毎年9月中旬~10月上旬の間に十五夜がくるとされています。
そこで、今年は9月17日となる訳なんですね。十五夜様は、他に「中秋の名月」とか「仲秋の名月」といいますね。どちらが正しいのでしょうか。ややこしいので良く解らないものですが、この二つの呼び方には、確かに微妙な違いがあるのです。
「中秋の名月」とは、秋の真ん中の月という意味です。
「仲秋の名月」とは、8月の名月という意味です。
確かに、おなじようなものですが、一文字違うので、その言葉にも意味合いの微妙な違いがあるのです。それでも、十五夜様は今年は今年で9月17日一日だけとなります。旧暦の8月というのは新暦のカレンダーでは、立秋から立冬までの8,9,10月に当たるのですが、日本の昔からの暦では、初秋、仲秋、晩秋という呼び方をしていました。なので、立秋のある8月の旧暦が7月、仲秋が8月、晩秋が9月となります。ちょうど1ヶ月ずれます。
こうしてみると、「中の名月」と「仲秋の名月」では、何だか違いがあるように理解できます。けれども、この二つの呼び名は、十五夜様のことで、別々の日の満月ではないという事は忘れてはならないことですね。
どうも私などは、こうなると中秋の名月の方が解り易い気がして来ます。最近では、仲秋の名月より「中秋の名月」の方が使いやすいかも知れませんね。
新旧の暦のズレは、何かとややこしいものです。1ヶ月の違いが、毎年必ずやって来て昔からの日本の風習の呼び方が未だに何かに付けて2つあることがよくある原因でもあります。
それでも、旧暦の呼び名や文化は、日本の明治以前の大切なものです。万葉の昔から今日までの、長い歴史のある日本のよさでもあるのです。解り易い解説や実用的な応用で、気軽に親しんで上手く使い分けられるといいのだと考えています。
俳句は、特に日本的な言葉を大切にしていますから、この十五夜様のような新旧のズレで呼び名がいくつもあるような文化も大切に伝承してゆきたいですね。