六道ってご存知ですか。
十月は神無月といい、出雲の国へ神様たちが集まるために、他の地方では神様が留守になります。
その間に民衆を守ってくれるのが、恵比寿様や金毘羅様、竈神、道祖神などだといいます。
村の入口や道端などに、よく見かける六体のお地蔵様にも民衆を見守ってくれる役割があると言われています。
そんな、つい見過ごしていることに目を向けてみるのも日本文化を知る上では大切なことですね。
六体ならぶお地蔵様を、六地蔵といいます。この六地蔵は六道の民衆を救う菩薩さまです。
では、六道とは何かと言いますと、三善道と三悪道の2つがあります。
三善道とは:自分の意志で行動できる道。
三悪道とは:自分の意志で行動できない道。
そして、それぞれ3体のお地蔵様がいて、それぞれに意味があります。
三善道
天道:幸福や快楽を感じる状態を見守る 「日光地蔵」
人間道:平常心だが善にも悪にも傾きやすい状態見守る 「除外障地蔵」
修羅道:自分の正義に凝り固まり慈悲の心を失った状態を見守る 「持地地蔵」
三悪道
畜生動:平常な判断力を停止に陥り動物のまま失った思考に行動する状態を見守る 「宝印地蔵」
餓鬼道:満たされない欲望により心身ともに苦しむ状態を見守る 「宝珠地蔵」
地獄道:生きる事自体が辛く苦しいこの世の全てを不幸に感じる状態を見守る 「檀陀地蔵」
このように、六地蔵様にはそれぞれ六つの意味があると言われています。
そして、仏教においては、六道輪廻と言われる生前の行いにより地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天のいずれかの道に生まれ変わるという考え方があります。
死後の魂は裁きを受け、六道の世界のどこかに転生し、これを繰り返すという仏教ならではの考え方です。
写真の六地蔵は、幢幡(どうばん)、合掌(がっしょう)、旗(はた)、念珠(ねんじゅ)、錫杖(しゃくじょう)、如意珠(にょいじゅ)、柄香炉(えこうろ)とそれぞれに持ち物があると考えられます。